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「議会改革フォーラム IN 生駒」 簡単報告

<この報告は、論旨には正確を期すよう努めましたが、メモ書きと記憶に頼って記したので、必ずしも万全ではないこと、また、そのため後日に訂正することもあり得ることをお断りいたします。>

【*】開催日時・場所 13(H25)年5月1日(水)18:00~20:50 たけまるホール 小ホール 主催:政策研究ネットワーク「なら・未来」

【1】プログラム

(1)1部 基調講演「議会基本条例を活かす条件」 講師:廣瀬克哉氏(奈良市学園前出身の法大法教授)

(2)第2部 パネルディスカッション「議会は地方自治の主役か?」

    パネリスト(4人):廣瀬教授/生駒市議会副議長/奈良市議会制度検討特別委員会委員長/天理市議会議会改革推進委員会委員長

【2】基調講演

(1)06年5月に制定された最初の議会基本条例である北海道栗山町議会基本条例前文には、議会は「討論の広場」と表現されている。よりよい政策・信頼ある政策をつくるために、政策の問題点を見落とさないように、課題を明らかにしてそれを解決する政策づくりにつなげるために、討論する。議員同士が、議員と市長等が、議員と市民が、時には専門家も交え討論する。それが議会である。議会が討論の場になるためには、「わかりにくさ」(その象徴が議長選出のやり方)を解消しなければならない。また、議会報告会の類が市民にとっておもしろくないのは討論がないからだ。市民との対話の中で議会活動を展開することが大切。

(2)報告者注:(1)を踏まえると、「反問権」(議員と市長等の討論)、「請願者(市民)が希望した場合の(参考人でなく政策提案者としての議員との)質疑応答」(議員と市民の討論)、「議長選での立候補制」などは、議会改革に不可欠ということになる。

【3】パネルディスカッション

(1)生駒市議会副議長が「反問権」を導入しない理由に「議員と市長等の情報量格差」を挙げた。

 それに対して、奈良市議会制度検討特別委員会委員長は次のように述べた。情報量格差を解消する方法はある。政務活動費を使って調査すればよい。例えば、他市への視察をやればむしろ市長等よりも多い情報を得ることができる。また、情報公開制度による開示請求、委員長調査・議長調査もある。これらを使えばほとんどの情報は出てくる。奈良市でも、議員と市長等の情報量格差を理由に反問権に反対する意見があったが、このように反論して反問権を導入した。

 天理市議会議会改革推進委員会委員長は「天理市では、反問権も反論権も認めている。」と述べた。

(2)(1)のやりとりを受けて、廣瀬教授は次のようにまとめた。

 ①天理市議会が議会基本条例を制定したのは今から4年前(09.6)だ。この頃に制定された議会基本条例では反問権の導入は当たり前だった(「市長等は・・・・・議員の発言に対して反問することができる」<「天理市議会基本条例」第8条3項>)。このように当たり前に反問権が導入されたやり方は「天理型」といえる。

 ②しかし、その後、反問権に関する事情が全国に伝えられると、反問権導入への抵抗が強まり、その導入を拒否する議会が増加した。生駒市議会もその中の1つとなった。このような反問権を拒否するあり方は「生駒型」といえる。

 ③一方、反問権導入への抵抗がある中にあって、奈良市議会は何とか反問権が導入できないかと努め、「(無限定でなく)論点・争点を明らかにするため(という限定付)の反問権」の導入に成功した(「市長等・・・・・は・・・・・その発言の論点及び争点を明確にするため、当該議員に対し反問することができる」<「奈良市議会基本条例」(13.3 制定)第16条2項>)。このような限定付きで反問権を導入するやり方は「奈良型」といえる。これからは、この型が拡がっていくだろう。

(3)報告者注

  ①(2)を踏まえると、最低、「奈良型」の「反問権導入」は議会改革に不可欠ということになる。

 ②今年4月に施行された「上牧町議会基本条例」への反問権導入は
「奈良型」といえる。しかし、先月27日に開催された生駒市議会基本条例案の説明会.pdfにおいては「『反問』を規定している上牧町議会基本条例 第7条2項と、それを規定していない生駒市議会基本条例案 第13条2項.pdfはほぼ同じ内容」との説明があった。そのことへの疑問を示唆する報道.pdfその記事への補足.pdf)がなされた。  

(4)会場から「議長選挙はどうなっているか」との質問があった。

 ①各市からのパネリストは次のように述べた。

   「生駒市では、現状のままでいく(立候補制は導入しない)。」「天理市では、全協での立候補表明を実施している。」「奈良市では、立候補制を導入し、所信表明(会議休憩中に、ビデオ放映はする)も実施している。」

 ②報告者注:「議長選挙のわかりにくさ解消」の努力においても生駒市議会の遅れが浮き彫りとなった。

(4)来場していた生駒市長に司会者が発言を求めた。

 ①市長は、生駒市議会がパブコメにかけている議会基本条例案を法制スタッフとともに検討したとして、次のようないくつかの問題点を指摘し、議会基本条例案作成にあたっては市長等の意見も聴取すべきと述べた。

   ○案の第8条(政策立案及び政策提言等)2項では「議会は、市長等に対し、本会議において可決された決議及び採択した請願を最大限尊重(中略)するよう求めるものとする」として、決議・請願の履行を一方的に事実上義務化している(が、これは市長の予算立案・執行権の侵害にならないか)。

   ○案の第9条(市長等による政策の説明等)4項は「議会は、市長等が前3項の規定に反する場合は、必要な情報を明らかにするよう説明資料の提出を求めることができる」となっているが、「(議会の運営・議員活動に係る基本条例に)市長等の規定違反条文」を設けるのは適当なのか。

   ○案の第17条(危機管理)2項は「議長は、災害等発生時において、必要に応じて速やかに議会を開催し」となっているが、これは地方自治法上問題はないのか。

 ②①に対して、生駒市議会副議長は次のように答えた。

   パブコメで市民の意見を聞いている途中でまだ議会の案が完成していない。それが完成してから市長からも意見を聴取する。また、パブコメが終わった段階で法制チェックをする。

(5)最後にまとめ代わりのようなかたちで、廣瀬教授が生駒市議会基本条例案について次のように「論評(評価)」した。

  「反問権不導入」にみられるように「議員(議会)にとってマイルド」なものとなっている。一方、他自治体の議会基本条例には例を見ない「踏み込んでいる部分」(報告者注:これは、市長等に厳しいこと、市長が指摘したような問題点、というような意味だったように理解したが、正確なところを聞き損じた。あるいは、教授が明確には説明しなかったように記憶する)がある。パブコメや法制チェックで修正があるだろう(と期待したい)。

【*】報告者感想

(1)「反問権」が焦点となったが、それを基準にみると、天理市議会が改革の先頭を切った。その後、改革にブレーキがかかりそうになってきた。それを阻止しようと奈良市議会が踏ん張っている。しかし、生駒市議会が改革にブレーキをかけている。「反問権」を基準にみると、このような構図が浮かび上がった。

(2)また、「議長選」を基準にみると、天理市議会は改革をある程度進めた。奈良市議会はかなり進めた。しかし、生駒市議会は改革を断念した。「議長選」を基準にみると、このような構図が浮かび上がった。

(3)(1)・(2)を踏まえると、生駒市議会基本条例案は、天理市や奈良市のそれと比べてみても改革度が低いものとなっている。集会の最後に廣瀬教授は、今後パブコメで市民の意見を聞いて案が修正されるとの期待を示唆された。この集会は生駒市議会基本条例案がどのようなものかを参加した人々に認識させた。そのため、この集会に参加した生駒市民はパブコメで(かなり厳しい)意見を提出するだろう。その意見をしっかりと受け止め、生駒市議会基本条例が天理市や奈良市のそれよりも改革の度合いの高いものとして制定されることを望みたい。

【*】報道記事.pdf報道記事.pdf

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